2月18日、東大阪市立盾津中学校ででじさいの第3回コミュニティが開催されました。今回も多くの方々にご参加いただき、今まで以上に濃い内容の話し合いができました。
最初は奈良教育大学附属中学校の葉山泰三先生より、LEGOを使ったロボット作りの授業におけるiPadの利用について発表をしていただきました。iPadの特性の第1は何といってもビューアとしての美しさです。美しい画面で、参考となるロボットの動きを観察し、グループ単位でロボットづくり。
製作過程や製作後のロボットの動きをiPadを使って静止画や動画におさめ、keynoteを使って班単位で発表会を行う。iPadの特性をフルに活用した授業内容でした。機構やメカニズムの学習でもiPadは非常に有効なアイテムとなることを教えていただきました。
続いて、滋賀県長浜市立余呉小学校の村田良文先生に発表していただきました。何と村田先生は、滋賀県北部長浜市から何時間もかけてお越しくださいました。関西以外の方にはピンと来ないかもしれませんが、長浜から東大阪といえば約150km!充分旅行と言ってよい距離を雪を掻き分け来てくださったのです。でじさいとして感謝、感謝です。
村田先生は、「『手軽に』『安く』『簡単に』視覚に訴える授業」を目指しておられ、発表内容は授業におけるAppleTVの活用についてでした。予算のある先進校ではWi-Fi対応のタブレットコンピュータやデジタル教科書,電子黒板等が整備されていますが,村田先生は、iPad2とその周辺機器を用いて個人でしかも低コストで同じような環境を作っておられます。
iPad2以外に必要な機器とソフトウェアは、
・AppleTV(\8,800)
・HDMIケーブル(\1,800)
・AirMac Express ベースステーション (\8,400)
・2Screens for iPad(\500)
・(校内LAN=インターネット不要の場合,必要はない)
・地デジ対応大型テレビ
で、4つあわせても何と19500円!
iPad2があれば、2万円以下で、Wi-Fi対応のデジタル提示環境を簡単に作りあげることができるのです。実際にAppleTVを映してくださっての説明に、でじさい会長の日比野先生も事務局長の木村先生も「すぐに買って取り入れます!」と宣言されていました(笑)。
その後、東大阪市学校教育推進室次長の諸角裕久先生より、ご自身が研修に行かれた内容の報告や、立命館守山中学校の木村先生から音声認識ソフト「ドラゴンディクテーション」の紹介などがありました。ドラゴンディクテーションはフリーソフトですが、音声認識と変換の能力が非常に高く、正しい発音を身につけさせるために、iPodのドラゴンディクテーションを使っている英会話教室もあるほどです。
音声認識ソフトについては後日、村田先生がiPadに対応しているもの(日本語のみ)を2つ見つけてくださいました。
音声認識メールST(3GS以上専用)(こちらはフリーではなく85円です。)
http://itunes.apple.com/jp/app/yin-sheng-ren-shimerust-3gs/id347250830音声認識メール クラウド
(こちらは認識率が非常に高いですがクラウドを使用するのでWeb環境が必要です。)
http://itunes.apple.com/jp/app/yin-sheng-ren-shimeru-kuraudo/id310937789
認識開始の時や単語の選択の時に画面をタッチする動作が必要ですが、キーボードアイコンを使用して『記者』や『貴社』,『汽車』を選択することもできるそうです。一度試してみてはいかがでしょうか?
その後、休憩を挟んでディスカッション。英語の授業でのiPad活用法や、幼児教育、特別支援教育におけるiPadの活用法などについて参加者全員でアイデアを出し合いました。
盾津中学校英語科の岡崎先生は、現在iPodを利用して授業をされていますが(その実践例も紹介してくださいました)iPadを活用することでさらにレベルアップを図りたいと、出てくる意見に耳を傾けておられました。
葉山先生、村田先生もディスカッションに参加してくださり貴重なアドバイスをいただきました。
第3回ということで参加者の皆さんも慣れてきたのか、たくさんの意見を出してくださり、本当に有意義なコミュニティとなりました。「今までの中でも特に得るものが多かった。」(奈良県の中学校教員の方)という感想をいただいたことは、事務局としても嬉しいことでした。